スター・A・スター

ハートの行方


 あたしの名前は、プロミネス・ブルー・ユリアン。18歳にカウントダウンの17歳にして、銀河連邦−略してG連−の最新鋭艦ネオ・プラネット号の艦長に就任したブルー・ソルジャー(宇宙戦士)なんだけど、ただいま諸般の理由により休暇中。就任した時にもらった任務は、前人未踏の外宇宙探査で、外宇宙を自在に航行するためのスペースホール航法の確立だけでも数年はかかると言われていたんだけど、G連の科学の粋を結集して建造された宇宙戦艦プラス最高に優秀なスタッフのおかげで、航法の確立はもちろんのこと、安定した航路の選定までトントン拍子に事が進んでしまい、あたしは外宇宙にある母の故郷ソレイユ星に滞在して長期休暇を楽しんでいるわけ。断っておきますけど、これは船医の「必要である」いう判断に基づいて、ですからね。
 具体的に言うと、乗組員の何人かがご懐妊で安定期までどこかに落ち着く必要があったのだ。このプロジェクトが発足したときの乗組員構成からそういった事例が少なからず起きるものと予測はしていたのよ。第一、あたしの兄さんからして新婚ほやほやの奥さんと一緒だったんだもの。
 しかし、こうまとまって妊娠されるとセクション移動だけじゃすまないし、プロジェクトの要のグリューネ・ルディーナ・K・ユリアン−通称ルナ−(コレが兄さんの奥さんね)が動きようがないとあってはどうしようもない。幸いルナの研究を続けるのにぴったりの条件の星が近くにあったので、公私混同、滞在させてもらうことにしたのだ。ふふふ、うちの親父殿、強引に母様と駆け落ち結婚したため、この星には立ち入り禁止なのよ。子供であるあたしたちは適用外だから、こうしてG連憲章に乗っ取って、医学的必要な休暇を理由にローテーションで休暇を楽しんでいる。
 
 エディ・ユーナスは、午前中の半分を医学的必要に応じてルナを中心とした妊婦スタッフのもとで過ごす。いっときますけど、彼のやってる見た目の検査なんて、衛生兵に任せたっていい類のものですからね。で、検査の後、彼女たちの仕事が始まるまで遊んでるのよ。
 今日はババ抜きのようだ。…じゃ、なくて、無制限のジジ抜き。どれがジジかわからないから結構スリルがある。時間もそんなにかからないし。それにしては、ワンゲーム、随分時間がかかってるじゃないの。しかもみんなの手持ちのカードが多い。あたしはジジ分のカードであるエディ・ユーナスの横に取り分けてあるカードを覗いてみた。
「なによ、これ!ハートのカードが13枚全部並んでいるじゃないの。」
 むっとしているあたしにエディ・ユーナスは、いけしゃあしゃあと答えたものだ。
「当然だろう。ルナのハートは全部、私のものだからね。カード1枚とて他人にはわたせないよ」
 かくして、13枚のハートのカードがエディ・ユーナスの前に広げられた。それに他のメンバーのカードをあわせるとぴったり一致する。
「ちょっと、これじゃ、ゲームが無限ループしてルナがなんにも出来ないでしょ!」
「これでも頃合いはちゃんとみてるよ。」
「はい、ちょうど第7層の育成状況に変化が見られるころです。これから育成データ集積に忙しくなるからちょうどいい気分転換になりました。」
 ほんのり頬をピンク色に染めながらルナはデータを記入し、彼女の背後についている補助スタッフ達が、ルナの様子を微笑ましく眺めている。ええ、ええ。どうせあたしの出る幕なんてありませんよ。夫婦とスタッフとで楽しくやってくださいな。


To be continued?