スター・A・スター

しんたの育成日記(2)


☆月◇日
・・・毎度の事ながら、あの兄妹は派手だ。
あれで、名家の子女として世間では羨望の的になっているというのだから、わからないものである。
まあ、たしかに奥方は名家出身の名に恥じ無き優れた女性だが・・・。

それより今日はとんでもない失敗をやってしまった。
というか、これまで何事もなく来たのが不思議と言えば不思議なのかもしれない。
例によってことの始まりは、あのふたりのじゃれ合いからだが・・・。
わたしに言わせればどっちもどっちだ。
だいたいいい年をして、幼児相手に本気で喧嘩する者がいますか。
しかし、彼に言わせれば、自分の意志を明確に伝えれるようになった瞬間から大人の仲間入りだという。
確かに、それは一理ある。
実際、力だけで判断していいなら、彼女は立派な大人である。
だが、公の面前で争うのはよろしくない。
それでなくとも不安定なのだから、暴走したときの影響は、計り知れないものがある。
さすがにあの場にこのままの姿で止めに入るわけにもいかず・・・。
それこそ○年ぶりに変化した。
あのときのふたりの顔と来たら!
一目でわたしだとわかったのにも驚かされたが、それ以上に呆然となっていたからな。
おかげで、すぐに収まったので、いつものように後始末にかけずり回る手間が省けてよかった。
何が幸いするか、わからないものだ。

一件落着して直ぐ元に戻るのもおもしろくないので、一緒にそのまま歩いて帰った。
ふたりの態度は変わらなかった。
まあ、元々眼に映るものをそのまま信用するような教育を受けていないのだから、わたしの姿が変わったからと言ってどうということもなかったのだろう。
むしろ面白がっているようにみえたぞ。
と、なれば、もう遠慮なぞする必要はない。
これからは、心を入れ替え、びしばし鍛えていくことにしよう。
その方が本人のためだし、何よりわたしにとっても今はこっちの姿の方がやりやすい。
明日からは覚悟してくださいよ、ブルー。

llustration by ゆうえい様