翡翠伝承

聖夜蒼乱(2)
降臨祭で賑わう街へと繰り出したディアーナ達は、誘ったミリエールが根をあげるほどのパワーでお祭りを楽しんでいる。
「ミリエール、早く!」
「・・・わかりましたわ。」
仏頂面であとに続くミリエールに、人混みに紛れて近づく影がある。
「きゃっ!謝りもせず、無礼でしょう?」
「そっちからぶつかっておいて、無礼とはなんだ!」
いかにも胡散臭いチンピラ風の男達がミリエールを取り囲んだ。
「ちょっと、その子に何するのよ!」
すかさずメイが割り込んでミリエールを背に庇う。
「こんなところで強請のまねごとですか?」
続いてシルフィスが男達を睨み付ける。
「ほーお。随分威勢がいいじゃないか。」
「何よ!」
「だが、用があるのはあんたじゃないんだよっ。」
「え?」
「しまった!」
メイとシルフィスがハッとしたときには時既に遅く、先を歩いていたはずのディアーナの姿が消えていた。
「見られたからには、おとなしく来てもらおうか。」
にやにやと舐め尽くすような視線が二人に注がれている。
「きゃぁ、乱暴しないで。」
ミリエールの悲鳴がメイとシルフィスの反撃を躊躇わせた。
「くっ。」
口惜しそうな視線を返しただけに留まり、3人は荷物のように暴漢達の手中に収められることとなった。

ディアーナが連れてこられたのは、郊外に近い荒れ地に位置する廃屋であった。
たいして間をおくことなく、メイ達3人とも再会した。
互いに怪我のないことを確認しあった時、リーダー格の男がミリエールを乱暴に引き寄せ、苦々しげに吐き出した。
「随分と話が違うようだが?」
怯むことなく、ミリエールが答えた内容はディアーナ達を呆然とさせた。
「その分お礼は弾むわよ。」
呆気にとられてる間にも、冷酷な会話が続いていく。
「たかが女2人、増えたところで変わりはせん。」
「後腐れのないようやってちょうだい。」
ミリエールは蔑んだ視線をディアーナにくれると、そのまま服の埃を払って暴漢達の後ろについた。
「それじゃ、悪く思う・・・なよ・・・?」

突然、床が激しく揺れ、辺りの物が所狭しと投げ出された。
「しめた!」
シルフィスは持ち前の運動神経を活かして、するりと捕らえられていた手を振り解くと、続いてメイを捕まえていた腕を思いっきり蹴つり上げた。
「げっ!」
相手が怯んだ隙に、更にメイが蹴りを喰らわせ、身体の自由を取り戻す。
「姫さーん!」
「メイ〜!」
「シルフィス!」
同時に聞き覚えのある声が外から接近してきた。
「水よ!刃となって我が意に答えよ!汝が敵を打ち倒したまえ!」
水流が渦巻き、窓がうち破られ、予想された3人の魔導士の姿が現れた。
「3人とも無事か!?」
「げっ!なんでここに!?」
予想外に早い魔導士達の出現に戸惑う声が交わされる。
「少しくらい早まったところで、殺ることには変わらんわ。」
先ほどの男が鋭い剣先をディアーナに向けた。
「あんたに恨みがあるわけじゃないんだが、これも仕事なんでね。」
にやりと薄笑いを浮かべた男の瞳には残虐な色がありありと浮かんでいる。

シオン達が現れたことに多少の苛立ちを覚えながらも、ミリエールはそのまま出口へと身体をずらしていた。
戦闘の音にかき消されたミリエールの足音は確実に出口へと向かっていく。
「ここを通り過ぎれば・・・。」
ミリエールが細く笑んだ時、シオンもまた呼吸を整え魔法を唱える体勢が整った。

シオンの行動順番がまわってきました。
シオンの行動は、貴方が決めて下さい。

⇒シオンは逃げようとしたミリエールに風魔法を唱えた。
⇒シオンはディアーナを捕らえているチンピラに風魔法を唱えた。
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