青海国の魔術師

青海国の魔術師(第4話)

 青海国の領海から一つの島が消滅してから、十日が経過していた。王家の三つ子は父とともに、周辺海域への影響調査や問い合わせの対応に忙しく、眠り続ける宮廷魔術師と、お騒がせな異国の魔術師の置土産のことも、ほとんど忘れていた。その置土産は本国から招集命令が出されたらしく、非常に渋々ながらだったが、十一日目の朝、青海国を去って行った。従妹にくれぐれもよろしくとしつこいまでに念を押して。
「…予想が外れた」
 第一王子付き従者がぼそりとつぶやいた。
「予想って?」
 せっせと縫物をしながら、第一王女付き侍女が尋ね返す。
「あれが消えれば、目を覚ますと思っていたんだが」
「俺も。あれがいる限り、ジェスは目を覚まさないだろーとは思っていたけど」
 第二王子付き従者が同意を示す。双子の従者は各島から送られて来た報告書をまとめていた。今までのところ、漁獲高その他、環境への影響はほとんど見られなかった。と、そこへ第一王子が姿を現した。
「すまないけど、エスリン、お茶を用意してもらえないかい?そろそろフィーアルの方も片付く頃だから」
 朝から第二王子を伴い、現地調査に喜々として出掛けた国王に代わって、大使の接待をしていた第一王子が穏やかに言う。共同執務室と呼ばれる場所で縫物をしていた侍女は急いで立ち上がった。王女は、現場周辺諸島の住民のなだめ役に徹しており、不安な顔でしつこく何度も大丈夫なのかと尋ねる島の長老と呼ばれる老人連中を極上のほほ笑みで丸め込んでいるのだ。かなりのストレスが溜まっていることは間違いなく、神経をなだめるために、最高のお茶と茶菓子を用意する必要がある。ついでに言えば、今朝までいた置土産もかなり彼女の神経を逆なでていた。耳にタコができるほど聞き慣れている美辞麗句を怒涛のごとく浴びせ掛ける存在というのは、うっとうしい以外の何者でもない。もう二、三日、滞在が延びていれば、刃傷沙汰になりかねないところであった。
 第一王子は疲れた様子も見せず、双子の従者がまとめた報告書を手にとり、目を通し始めた。
「…つくづく、腕のいい魔術師のようだね。ルーヴァルの運の良さには感謝しないといけないな」
 双子の兄弟は揃って頷いた。第二王子の運の良さというのは自他ともに認めるところだ。運が良くなければ、今頃、生きてはいないというのが共通の見解でもある。
「…嵐の到来だ」
 窓から見える曇り空をふと見上げ、第一王子はつぶやいた。かつかつと勢いのいい靴音が近付いて来る。
「防波堤がないとは君達には気の毒な限りだ」
 防波堤というのは自ら怒りを招く発言をして攻撃を一身に引き受けてくれる第二王子のことである。第一王子はいかなる言葉を浴びせられようと、馬耳東風、眉ひとつ動かさず聞き流すので、防波堤にはなり得ない。
「特に、ウィレン、君はまた付き合っている女性をかえただろう?その辺りから攻撃されることを覚悟した方がいいよ」
 第二王子付き従者は、うっと喉を詰まらせた。予想の内容よりも、自分の女性関係を王子が把握していることの方が驚きだった。
 数刻後、第一王子の予言は的中したのであった。

 青海国の国王を乗せた船の甲板の上で水夫達がざわざわと騒いでいた。舳先の向こうに見える光景は彼らを不安に陥らせるのに十分なものであった。
「あれは何だろうな?」
「雲に見えますけど」
「ふむ、やはりそうか。なんだって、あそこだけに雲がかかってるんだ?」
「さあ?」
 父と子は揃って首を傾げた。
 何故、そんなに落ち着いているのだと彼らの会話を耳にした水夫の方が首を傾げたかった。
 彼らの目には黒雲を背負った王城とその背後に広がる晴れ渡った空が映っていた。

 王城上空に限定された異常気象を報告された第一王子は落ち着き払っていた。
「それで、何か被害でもあったのかい?」
 銀髪の青年は青ざめている廷臣に穏やかに問う。
「雷が落ちたとか、どこか崩れたとか、強風に煽られた物が人に当たったとか」
「い、いえ、今の所、そうした被害は報告されていませんが」
「それなら、慌てることはない。通常の嵐が来たのだと思えばいい」
「し、しかし、王城だけというのは異常です」
「異常な嵐も通常の嵐も我々の手に余ることは同じだよ」
 親子ほど年の離れた重臣相手に一歩も引くことなく落ち着き払って言う。
 何事にも動じないという点は父親そっくりだわ、とフィーアルは心の中でつぶやいた。神経が図太いというよりも、感性がないのではなかろうか。
「怖がっている人達は町に避難させるといい」
 その時、風にまじって何かの咆吼が響いた。男達がひっと声を上げて、今にも倒れそうな顔になった。さすがのフィーアルも顔色が悪いが、男達よりは余程肝が座っていた。ここで姫君らしく倒れさせてくれるほど、長兄は甘くない。もし、気絶でもしたら、自分一人に仕事を押しつけて何をのんびり眠っていると即座にたたき起こされることだろう。
「城の守りである魔術師が危険を察知せずに眠り続けているんだ。これが危険であるはずがない。ジェナイス・エーレスの魔術の腕を君達はよく知っているはずだ」
 わざと「エーレス」の名を強調する。それは否応無くジェナイスの父、「魔術の王」と呼ばれる偉大な魔術師クレムグ・エーレスを思い出させた。
「それとも、私の判断は信用できないかな?」
 そう言って、セーナルは自信に満ちた笑顔を向けた。指導者の風格を備えた「爺たらし」の笑顔である。廷臣達は急におとなしくなり、下がっていった。
「よくやるわ」
 深々と椅子に座り直してフィーアルが自分の銀髪を弄ぶ。
「何事もはったりは必要だよ。それに自分が張った結界が破られたら、ジェナイスは跳び起きるよ。いわば、自分の指先を切られたようなものなのだからね」
 専属魔術師と契約を結んでいる弟より、余程、魔術に関して知識を持つセーナルである。
「そうなるまで放置しろってこと?」
「そうなる前にルーヴァルが帰ることを祈るんだね。契約者が呼びかければ、無理に目覚めさせることができるそうだから」
 肝心な時にいないなんて役立たずとフィーアルは弟を罵り始めた。
「それを言うなら、父上も同じだよ。廷臣が不安を覚えている時に国王がいないんだからね」
 あの父親がいたところで、不安を増すだけではないのだろうかとフィーアルは思ったが、あの楽天ぶりにかえって救われる者もいるのかもしれない。だが、今、ここにいない以上、役立たずであることに違いはない。
 湿った風が吹き込んだ。
 セーナルが窓を開け、風の荒れ狂う外に目を向けた。
「そこにいるのが何者かは知らないけれど、少なくとも敵意は持たないようだ」
 青い瞳には何者の姿も映らぬが、セーナルはその気配をはっきりと感じていた。その点において、兄より感覚の鈍いフィーアルは眉根を寄せた。
「何者かって…誰か魔術師がいるの?」
「魔術師ではないだろうね。魔術師が喧嘩を売りに来たのなら、こんなに穏やかなはずがない」
「それじゃ、何なの?精霊?」
「精霊か、もしくは…。フィーアル、西大陸で有名なのは何だい?」
 西大陸に留学していたセーナルはそれらについて妹達よりは余程、詳しい知識を持つ。
「…まさか」
 第一王女はつぶやいて、げんなりした顔になった。

 雨風に逆らって丘を上る途中で第二王子は足を止めた。
「これは面白いな」
「なんだ?何か見えたのか?」
 人々が止めるのを振り切って、息子とともに暗雲渦巻く王城に向かっている国王が尋ねる。
「ええ」
 魔術師と専属契約を結んでいる彼の目には、半透明の巨大な生き物の姿が見えていた。
 きらめく鱗に透き通った繊細な鰭を持つ大蛇が王城に巻きついているのである。そして、風にまじって、しくしくと泣く声がする。音量から考えると、この巨大な蛇のものであろう。時折、すがりつくように「魔術師殿〜」と呼びかけている。それが城の人々を怖がらせている咆吼の正体であった。通常の人にはそれが「言葉」には聞こえないのだ。
「どうも、ジェスのお客さんのようですが」
「魔術師か?」
「魔術は使えるかもしれませんが、魔術師ではないです。多分、水竜と呼ばれるものなのではないかと」
 兄が留学先から持ち帰った山ほどの書物のなかに、西大陸に住まう最強の生物、すなわち、竜に関するものが含まれていた。多くの竜は知性も低く、魔力を持ちはしないが、ほんの一握りだけ、人間以上の知力と魔力を備えたものがいる。その一つが水竜であった。
「ほう、水竜の客とはジェナイスも顔が広いな」
「ジェナイスの知り合いとは限らないと思うのですが」
 まるで、その言葉が聞こえたかのように、かま首をもたげて、蛇がこちらを見た。
 目が、合った。
 蛇は長い体をくねらせ、国王父子目がけて突進してきた。


 眠りの谷から無理やり引きずり出された魔術師は無言だった。水竜が魔術師に助けを求めているから、助けてやってくれという契約主の説明を聞き、承諾のしるしに軽く頷いた。その仕草にルーヴァルは微かな違和感を覚えていた。
「まさかね…」
 小さくつぶやくと、見届け人に双子の従者をつけて魔術師を城の外に送り出した。これでもう大丈夫とばかりに青海国の国王家族は通常の仕事に戻っていった。

 魔術師は水竜の前に立った。
 吹き付ける風が寝癖のついたままのざんばら髪をさらに掻き乱す。きちんと身なりを整えるジェナイスにしては珍しいことに上からガウンをまとっただけで着替えもしていない。
〃ああ!魔術師殿!〃
 巨体をくねらせ、水竜が喜びを表現する。
〃お会いできて嬉しゅうございますぅ。私、水竜族のルーベリアと申します。カーベルとエンギルの子にして、サレインダとユーケルドの孫…〃
 竜族のしきたりに従い、延々と血筋を逆のぼって自己紹介をし始めた水竜をジェナイスは遮った。
「…黙れ」
〃はい?〃
「お前の血統なんざにちっとも興味はない。とっとと用件を言わんか」
 水竜のくねりが止まった。ついでに、見物兼見届けにくっついて来た双子の従者の動きも止まった。彼らの目には先程ジェナイスにかけられた術のおかげで水竜の姿が見えているし、声も聞こえている。だが、彼らの動きが止まったのは水竜のせいではない。
〃ひ、ひどいですぅ〜〃
 蛇踊りにしか見えないが、恐らく悲しんでいるのだろう、先程より激しく水竜がくねり始めた。と、そんな水竜の額を雷が直撃した。
〃痛い、痛い、痛い〜〃
 七転八倒して水竜がのたくり回る。実体があったら、すさまじい地響きを起こしただろう。双子はよく似た互いの顔を見合わせた。彼らの知るジェナイスという人間は、こんなことを平気でするような性格ではない。
「用件を言え、と言ったろうが?」
 冷やかな魔術師の声が響く。
「それとも、てめぇの耳は飾りか?よく聞こえるように、耳の穴、広げてやろうか?ええ?」
 手の中でばちばちとはじける金の光を弄ぶ魔術師はまさに地獄の使いのようであった。口元には冷やかな笑みを浮かべている。魔術師の身に何かが起きたらしいと双子は水竜よりも、そちらの方が心配になっていた。
〃あうぅ〃
 水竜がおとなしくなり、さめざめと泣きながら、事情を説明し始めた。水竜は親子で西大陸の方面から海流にのって、青海国の周辺海域まで遊びに来たのだが、今朝方から娘が行方不明になったという。
〃ええ、もう、そりゃあ、かわいい娘なんですよ。気立ても良くて優しくて。悪い雄に騙されたらどうしようかと心配で心配で〃
「てめぇの娘ぐらい、てめぇで探せ。ろくでなしの父親に愛想尽かして逃げたんじゃねぇのか?」
 ふんっと魔術師が鼻を鳴らすと、ひどいですぅと水竜が泣き伏した。
「うっとうしい。めそめそしてやがると、皮剥いで蒲焼きにするぞ」
 ぴたりと水竜は泣き止めた。ただの威しではないと分かったようだ。しかし、実体もないのに蒲焼きができるんだろうかとウィレンはちょっと悩んでいた。こんなところは、主の影響をだいぶ受けている。
「…失礼ですが、その娘さんというのは、このくらいの大きさで」
 と、ティレンが両手を肩幅程度に広げた。
「薄緑色の体をしていて、光の加減で青くもなる?」
〃そうです!そのように美しい姿を持つのは私の娘しかおりませんっ!どこで見かけたのですか!?〃
 丸のみせんばかりに頭を近付けて水竜が尋ねる。思わず、ティレンは一歩下がった。恐怖というよりも近すぎると、どこに視線を定めたら良いかわからないからだ。
「…今朝方、王城近くを流れる小川のほとりで」
 ティレンは複雑そうな表情でちらりと魔術師の方を見た。
「こちらの魔術師殿の従兄あたる魔術師殿と話をしていらっしゃいました」
 正確に言えば、その魔術師、美辞麗句を連ねていたのである。蛇まで対象に入るのかと現場を目にした時は呆れたものだったが。
「その魔術師殿を大変お気に召していた様子なので、ひょっとしたら、ついて行かれたのかも」
 なにしろ、なんだか嬉しげに腕に巻き付いていた。
〃なんたることっ!娘は百才に満たない、世間知らずだというのにぃ〜〃
 私のかわいい娘が、どこの馬の骨ともわからぬ男の魔手に落ちるだなんてぇと、嘆いて再びのたくり始めたが、雷がその鱗すれすれに落ちて、ひとまず、水竜は落ち着きを取り戻した。
〃どこです、どこに行ったのです、その魔術師は!?〃
「南大陸ファローナ王国」
〃悪辣な魔術師の巣窟ではありませんかっ〃
「けっ、その悪辣な魔術師にすがりついて来たのはどこのどいつだよ?」
 水竜はとぐろを巻いて縮こまった。どうも竜族と魔術師は相性が悪いらしい。
「まあ、契約主の要請だからな。連れ戻してやらぁな。まず実体化しな」
 柄の悪さはごろつきと変わらないが始末の悪さではごろつきが束になっても適わないだろう。魔術師に言われるがまま、水竜は徐々に実体化した。魔術師は無造作に手を伸ばすと鱗を引きはがした。
〃ひぃっ〃
「暴れたら串刺し」
 相当、痛かったのだろう、目に涙をたたえたまま水竜は静止した。しっぽの先がぴんと直立している。鱗の剥がれた跡には青い血が滲み出てきていた。
 魔術師の手にある水竜の鱗はまるで鏡のようだった。それに向かって、ぶつぶつと魔術師が呪文を唱える。
「よう、エウルク、そっちに水竜のチビがいるだろ?親が捜してんだ、引き取らせてもらうぜ」
〃そ、その口調は…〃
 聞き覚えのある声が微かに響いた。この魔術師の叔父の声だ。
「お前の餓鬼に言っときな。親離れしてねぇ、女には手を出すなってな」
 魔術師は指先に水竜の血をつけると、鱗の上に何やら文字を書いた。魔術師が何かつぶやくと、煙とともに鱗は消え、変わりに緑の蛇が現れた。よくよく見れば蛇ではなく、水竜の小型板である。
〃もう、何よぅ、せっかく面白いお兄ちゃんと遊んでたのにぃ〃
 くねくねと動いて文句をつける。
「そらよ」
 魔術師はぽいっと水竜に向かって、その子供を投げた。水竜は器用に頭の上でそれを受け止めた。
〃ああ、無事で良かった〃
「感動の再会は海でしやがれ。とっとと俺の前からうせないと、無事じゃ済まなくなるぜ」
〃ひっ。ありがとうございましたぁ〜〃
 あっと言う間に水竜は霊体化すると、長い体をくねらせ海に向かって去って行った。
「ったく、親子そろってろくなことはしねぇ奴らだ」
 がしがしと髪をかきまわす動作はどう見ても少女のそれではない。
「余計な魔力を使っちまった…」
 ふうっと魔術師の体が倒れるのを、慌ててウィレンが抱きとめた。
「なあ、ティレン、今のって…?」
「聞くな。俺にもわからん」
 双子は沈黙したまま王城へ引き上げた。
 魔術師が次に目覚めたのは、それから五日後のことであった。


 魔術師の少女は青ざめていた。双子の従者と侍女から、五日前の水竜騒動について、尋ねられたのである。
「そんなこと、知らない…」
「あら、覚えてないの?」
 エスリンが首を傾げた。あれだけのものを相手にして覚えていないなんて変だと言わんばかりである。
「…実は、あの時、精神体だけ飛ばして父のところに行ってたの。…色々と言ってやりたいことがあったし」
 従兄はうるさいし、と心のなかで誰もが付け加えた。
「それで、うるさいからと結界内に封じられていたんだけど…」
「…じゃあ、あれやったのは?」
「多分、父だわ。私が呼ばれたことは父にもわかったはずだから、私の代わりに父が私の体を使ってやったんだと…」
 ジェナイスは拳を握り締めていた。
「よかったぁ。あれがジェスだなんて言われたら、俺、人間不信になるとこだったぜ」
「君はあの人物に育てられたにしては、随分、まともに育ったんだな」
 双子が口々に言う。ジェナイスの拳がぷるぷると震えた。
「そんなに、ひどかった?」
「ひどいっていうか、柄悪いし、乱暴だし。どっかのごろつきが魔術師やってるって感じだった」
 あんな言葉を女の子の口から聞くのはちょっとねとウィレンが苦笑いし、
「あの水竜もろくなものではなかったが、それでも、少々、同情心を覚えたな」
 あれは少しやりすごだろうとティレンが感想を口にした。
 二人の言葉に、ジェナイスは父親の仕業に間違いないと断定した。
「ティレン、ウィレン、ちょっと来てくれ」
 呼ばれて双子は奥の第一王子の執務室に入って行った。
 …あのクソ親父。自分だけでは飽き足らず、娘にまで悪名を流させるとは…。
 もしも自分に父親以上の魔力があったなら、と心のなかでつぶやいている魔術師に侍女はさらりと言った。
「ねぇ、ジェス。今、思っていることは、あの連中の前では言わない方がいいと思うわよ?女性不信になるだろうから」
 魔術師は重々しく頷いた。
 なにしろ、彼女の父親はあれだ。あれに男で一つで育てられているのだ。世渡りのために、ある程度の礼儀作法は身につけているが、一度理性をなくしてしまえば、中身はさほど変わらないと言う自覚がジェナイスにはあった。幸いにも、その理性をなくすような事態には今まで出くわしていないが、今度、父親に会ったら危うい。それまでに精神力を鍛えておこうと魔術師は心に誓った。
 平穏を取り戻した青海国の上空は、その日も、どこまでも晴れ渡っていた。

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